条件合意のポイントについて説明します。 まず、相違点と合意点を整理して条件をまとめることが重要です。 この整理した内容は、ホワイトボードなどに書いて、双方が分かるように整理すると有効です。
交渉は人と問題を切り離すべきであると以前に説明しました。 しかし、どうしても人対人の交渉になると感情的な対立になりがちです。 そのため、交渉がある程度煮詰まった段階で、合意できたポイント、 合意できていないポイントを書いて整理し、その整理した書類に対して交渉する方法が効果的です。
交渉の場所にホワイトボードなどがある場合は、 そのボードにポイントを記載し、共通の目的や問題を認識しながら交渉すると、 対立構造から協調に転換する効果があります。
特に「相違点と合意点が共通理解となっているか」 「相違点は交渉合意に致命的か」の要素をよく検討します。
合意点の確認方法のまとめ
書類などに記載する時は、相違点から記載するのではなく、 まず合意点から記載して理解を確認し、合意を確定させる方法が有効です。 その上で残った相違点について、双方が共通理解を考慮し、 課題に対して発展的な意見を言う方向に仕向けることが重要です。
ハーバード大学では、これを「ブレイン・ストーミング型交渉」と呼んでいます。 交渉相手と敵対的な雰囲気ではなく、双方が問題解決のために協調して、意見を出し合うプロセスです。 この「ブレイン・ストーミング型交渉」は交渉時において非常に効果的な方法です。
共通理解の確認方法のまとめ
交渉をしても、事前に準備した最低ラインに達しない場合は、 合意した条件を確認しながら、次の交渉につなぐための代替案を出すことが有効です。
例えば、一定条件の場合は合意、一定条件を満たさない場合は再検討のように場合分けする方法があります。 また、期限を決めて再検討する方法もあります。 1つの条件で合意できなくても、条件を細分化したり、 付帯条件を変えたり、期限を付けることにより、合意できる場合があります。 事前にできるだけ多くの選択肢を考えて、実際の交渉を行い、 たとえ部分的な合意でも、合意ポイントを確定させていくことが重要です。
代替案の提案のまとめ