状況分析の技術について説明します。
状況分析を行う前に、まずは分析に必要な情報収集を行います。 交渉時に必要な情報収集の技術には以下の3つがあります。
収集した情報を分類し、分類した情報を優先順位を付けて整理をすることが基本となります。 なぜなら、収集した情報は、収集したのみでは価値は少なく、整理して分類することが必要だからです。 情報の分類には、直接情報か間接情報かを基準にする方法が有効となります。 有効な情報収集の方法としては、最初に必要な情報をリストアップすること、交渉時に使用する情報を収集しやすくなります。
特に、交渉相手、競合相手、影響者に関する情報を収集することがポイントです。 直接情報か間接情報か、または複数の確認が取れている情報かについて、総合的に判断して情報を分類します。 必要な情報のうち、漏れている情報は何かも整理しておきましょう。
情報の分類方法としては、「確定した事実」「根拠のある推定」 「不確定な情報」の3種類に分類する方法があります。 そして、必要な情報のうち、漏れている情報は何かを整理します。 交渉前にできるだけ、必要でかつ漏れている情報は収集することが望ましいといえます。
しかし、競合相手や影響者のような微妙な情報は、 なかなか正確な情報の収集が困難な場合があります。 その場合は、交渉中のコミュニケーションを通じて交渉相手から引き出す方法があります (あくまで合法的な範囲内で行ってください)。 また交渉前に、優先的に引き出すべき情報を分類しておくことが重要です。
優先順位を付けるためには、まず情報の確実性、信頼性を考慮することが必要があります。
次に、優先順位分析を行います。整理した情報を確実性、信ぴょう性を考慮して分類します。 この優先順位分析は、次の交渉戦略を立案する時に非常に有効な情報となります。 情報は、単に収集したのみでは価値が低いものもありますが、整理して分類すれば付加価値が上がります。
最後に、情報の重要度や優先度をつけます。 優先順位には、重要度、優先度などいろいろな決め方がありますが、 優先順位は、最低3種類程度に分類しておくと良いでしょう。 例えば、重要度や優先度を分類する方法として、A、B、Cのランク付けがあります。
このABCのランク付けを「ABC分析」と言います。 ABC分析は、重要度から分ける方法、確実性から分ける方法など、いろいろな方法があります。 いずれにしても、得られた情報の重要度や優先度を最低でも3種類程度に分類しておくと、今後の交渉戦略が立てやすくなります。